皆様、こんにちは。
今回は、山中ヒコ先生の最新作、「クラスで一番可愛い子」のネタバレ感想をご紹介をしていきたいと思います。
「推し」のイケメン俳優に認識されるために、整形を繰り返す女の子の物語です。世の中の女の子が一度は感じたことがあるだろう、「可愛い」への複雑な思いは、主人公に幸せを運んでくれるのでしょうか?
さっそく、ご紹介していきましょう。
「クラスで一番可愛い子」はどんなお話?ざっくりあらすじをご紹介
「どうして私は可愛く生まれなかったの?」
幼い頃から、自分の容姿にコンプレックスを持つ主人公、沢井えり。
父親はお金持ち、母親は美人で幸せ、だったはずなのに、その父親は若くて綺麗な女性と家を出て行ってしまいます。中学生になり、ミュージカルを見て、その舞台に出演している
イケメン俳優 神田征にハマっていきます。しかし、どんなに出待ちをしても、他の子となんにも変わらない、塩対応しかしてもらえません。その一方で、周りから「可愛い子」との評価がある友達は、推しの俳優と一緒に食事をする機会に恵まれます。
「わたしがもっと可愛かったら」という思いがますます強くなっていくえり。
とうとう顔面整形をすることにします。最初の整形はまぶたを二重にすることでした。想像していたよりもあまりに簡単で、周りからも「むちゃくちゃ可愛くなった!」と評価を得ます。
それでも推しの神田征からは、これまでと変わらない塩対応しかもらえず、えりは涙を流します。「もっと綺麗にならなきゃ、だめなんだ」と、えりは整形を繰り返すようになります。友達になんと言われようと、「えりの人生のルールは、一番可愛い子でいること」と信じて突き進みます。
自分で認められる「可愛い」姿になったえりは、神田に近づくためのあらゆる手段を使います。そしてついに、神田に直接つながる、リアル友人との接触に成功。「かわいさ」を武器に、神田へのつながりを作ることもできましたが・・・。
「クラスで一番可愛い子」の結末は?整形女子は幸せになれるの?
念願の、イケメン俳優 神田征とのつながりを作ることができたえりですが、この後、本当の幸せを感じることができるのでしょうか?
気になるのは、リアルの友人「水口」の存在です。神田とつながるためならばと、えりは水口に対しても手段を選びません。そしてそれを隠すこともせず、神田とのセッティングを要求します。
個人的な感覚ですが、そういう扱いを水口が快く思うのか、がポイントになってくると思うのです。
ここまで手段を選ばなかったえりですから、水口が用意してくれる神田とのセッティングでもうまく見えるように、振る舞うことでしょう。
そうなると、えりと神田との関係はどうなるのでしょうか。
実は、作品の一番始めのシーンで、えりと神田が添い寝をしている写真を、えり自身が、「そーうしん!」と言いながら、SNSと思われるものに投稿する場面があります。
えりの目が、神田征その人自身よりも、周りの目や反応、評価というものに向いてしまっていることを感じさせるシーンです。
相手は俳優ですから、そんなスキャンダルが公になったら、大変な事態になるのではないか、ということは簡単に想像できると思うのですが、えりは何を思うのでしょう??
まとめ
えりが本当に欲しかったものは何だったのでしょうか。
「推し」俳優からの愛?、それとも世の中からの評価?
えりが、整形をしながら、「どうしてありのままの私を愛してくれないの?」と心で叫ぶシーンがあります。
えり自身が、整形で容姿を変える行動と、それに抵抗したい心との葛藤を抱えながら“幸せは何か”分からなくてもがいているのでしょう。
「かわいいは正義!」という言葉をよく耳にします。
確かに、かわいいものは素晴らしい!
ただ、それだけがすべてなのだろうか、ということを考えさせられる作品でした。
えりは本当の自分を愛し、幸せをつかむことができるのか。
気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
コメント