こんにちは。今回は、裏海マユ先生の作品『お父さんが早く死にますように』のネタバレ感想をご紹介していきたいと思います。
この作品は、最近じわじわと話題急上昇中している、ヒューマンドラマです。全体的なテーマとしては重めですが、絶妙な絵の明るさと話の進み方で、ドンドン読み進められる作品になっています。
「お父さんが早く死にますように」はどんなお話なの?
高校生のあすかと小学生の妹、蛍。二人は仲良く明るく、近所での評判の良い姉妹でした。あすかに想いを寄せる同級生の存在もあり、幸せな人生が広がっているように見えました。
ですが、二人の家庭は他人には言えない闇を抱えていたのです。
あすかが父親から受ける、激しい暴力。小さな頃から続いていた暴力は、中学生になり性的虐待をも伴い、あすかに暗い影を
落とします。母親が二人の姉妹を置いて家を出ると、あすかが受ける苦しみはエスカレート。その魔の手は幼い妹の蛍へも
向けられることになるのです。追い詰められる、あすか。ある日、とうとう限界に達したあすかは、自らの命を絶つ決断を胸に
凶器を隠し持って、父親と外出するのですが・・・。
『お父さんが早く死にますように』を読んでみたネタバレ感想
登場人物の絵がとてもきれいでくせがなく、主人公は純粋にかわいいと思える作品です。テーマは重いものですが、最新刊までサクサクと読み進めることができました。
物語の中で、主人公はだんだん追い詰められていくのですが、友人、妹、警察、近所の方など必ず救いとなる存在が描かれるのもポイントです。主人公にとっても救いですが、読むほうとしても救いがないと読んでいて辛いですからね(笑)
また、妹が幼いながらに考え出した正義と、その答えには、気持ちとしては共感できました。逆に、弁護士さんが妹にかける言葉にも、おとなになった私たちには理解できるものだと思います。いろんな立場に共感できる、というのは続きを読みたい!と思うポイントの一つですよね。
最後には主人公、そして妹、それに関わる子供たちよ、どうか幸せに!!と願ってしまうような作品でした(^^)
ここが良かった!
一番良かったのは、読んだ後に、あまりもやもやしなかったこと。重いテーマの作品は、読んだ後に、すっきりしない感じが残って気持ちも重くなることもあると思うのですが、この作品は最後に少し希望が見えるところがとてもGoodです!
ところどころ、目を背けたくなるような内容もあるのですが、絵がきれいなことと、意図的にだと思いますが、そこまで詳細に表現されていないので、いわゆる「鬱漫画」が苦手な人でも読みやすいです。
そして、ストーリーの伏線なのでしょうか?主人公と同級生の甘酸っぱい恋愛模様なんかも挟まれてくるのは、ちょっとキュンとする要素です。
主人公のその後の人生を、ちょっとだけ妄想したりするのも楽しみの一つですよね!
何より、展開がとても早いので、躊躇なく一気に読み進めることができます。
ここが残念!
一つ一つのエピソードがとても早い展開で進みます。個人的には、重い気持ちを抱えすぎずに読みやすいと感じるのですが、もっと重いもの、それぞれのエピソードの詳細を掘り下げたい人にとっては、ちょっと物足りないと感じるかもしれません。
そして、これは作品の狙い通りだと思いますが、社会的な地位や権力を盾に弱い者をいじめる構図というものが実際にあるんだ、ということが想像できてしまうのは、残念なことですよね・・・。これは作品への感想とは別ですね(笑)
まとめ
以上、「お父さんが早く死にますように」を読んだ感想をご紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
個人的にはもやもやを抱え込まずに、さくさく一気に読み進められる作品だと思いました。その上で、ニュースの裏側にあることに想像を巡らせる機会にもなるのかな、と思ったりしています。
ご興味をもたれた方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
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